NAGOYA IDENTITY
- nobusato
- 2019年7月8日
- 読了時間: 2分

前期は週4で授業、週1で会議という授業集中月間。
フィールドワークを専門とする自分としては、なかなか身体と心が鈍ってしまいます。
しかしながら学生と一緒に考えるのは、自分の思考を更新する機会でもあります。
大学院生と一緒に考えるシリーズ、第2弾は名古屋の個性。
以下、佐藤の出題です。
「NAGOYA IDENTITY 」
2027年リニア開通は大きな都市トピックである。名古屋の再開発は続いていく。
このまま名古屋はリトルトーキョーになるのか。既存の名古屋に面白さはないのか?
名古屋の街を成り立ちから捉え、その魅力を考える。大学院生による名古屋の街のステートメント。
下敷きにしたのはTOKYO METABOLISINGとメイド・イン・トーキョー。
師匠たちが若かりし頃に試みた内容です。
学生には面白い建築を探してもらい、それらを統合して上位の都市概念を抽出してもらいました。以下、佐藤の解説を加えた概念です。

1.生活看板
名古屋は街の中で自由に空間を設える人が多い。たとえば、玄関まわりでの表出。たとえば、二階の屋根上へのテラスの増設。それらは自分の生き方の表出でもある。それはさながら、生活の看板。
2.斜面を飼いならす
名古屋は起伏に富んだ街。そこに多数の人が住み続け、都市は成長を続ける。人の居場所は主として地盤に乗るが、それ以外の都市要素は人工地盤が築かれる。領域の拡張。それも名古屋ならではの要素。
3.ナゴヤ・ビルチャー
名古屋は昭和後期に多くのビルが建てられた。バブルの産物でもあるそれは建築は、現代における余剰資源になりつつある。同時に、ナゴヤでは、そんな建築ストックが自由に使われている。東京は都市圏が大きく、様々な個性を持った街があるが、比較的コンパクトな名古屋では、個性がぎゅっとしている。ゆえに都市空間は高さ方向に多様性を生み出している。ビルに内在するカルチャー。
4.車依存都市
大きな車都市の隣接都市でもある名古屋。大きすぎない都市は、車での移動も許容する。故に都市空間内部には、人を超越したスケールの建造物や振る舞いが見られる。同時にヒトと車の両者に向けたメッセージも内在する。
名古屋の都市と向き合うこの企画、続けていければと思います。