2016年に書いていたことは「地域の自助・共助・公助」
2019年に書いていたことは「建築文化」
2020年は「リサーチング・プレーヤー」
2021年は「楽しいが身の回りにあること」
2022年は「生活民芸舎」
2023年は「むきあう」
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最近、考え方が少し変わってきたのかもしれない。
成果をあげることや、何かを作り上げることよりも、
自分がどれだけ納得できるのかに興味が移ってきた。
自分の行いを通してどんな幸せが作れるのだろうか。興味はそこにある。 自分は、多くの人の心に残るものとして、プロジェクトを世に送り出すのが好きなんだと思う。
美しいけど人の心に残らないものより、
そこそこいい感じでも忘れられないものの方が、大切なんじゃないかと思う。
その方がデザインされている。
誰かと誰かが喜ぶ場を作れること。
それを見てもっと多くの人が何かに気づくこと。
結果としてまちが、ひとが、生き生きとすること。
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今まで、
目上の方の下で動く博士課程中盤までと、
自分が主導して周りの方々と頑張る博士後期以降
という、ものごとの関わり方が多かった。
でも、結婚して、コロナ入りした2020年くらいからからちょっとずつ変わった。
誰かとともに、何かを作ることが多くなった。
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今年は、いろんな人といろんなものに新たに取り組んだ。
長野の仲間たちと自分のお店を作ったし、
PershimonHills Architectsの廣岡さんとよなよなzoom以外に、名城の修士スタジオを通して現代の街と設計について考えた。
ナノメートルアーキテクチャーとは松阪の住宅を一緒に考え、
1-1Architectsや刈谷市役所の方とまちづくりにも取り組んだ。
建築雑誌では、いろんな分野のトップランナーのお話を聞く機会を得た。そもそも、編集委員自体が、建築業界のすごい方々との協働。
東海でも活動を通して、コラボレーションをする機会も増えてきた。
新潟・長野でも継続して現場を持てたし、石巻や飯豊町でも、今まで通り、いろんな人と協働が続けられている。
どの場面でも、自分たちにとって大切だと思うことに芯をもち、それを社会に問う。それで誰かが何かを歩み出すことを目指す。そういうことをしているのだと思う。
いろんな方と、大切なものは何か、を話すことができたのは、嬉しい時間だった。
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いろいろな機会をいただき、挑戦をしながら視野を広げることができた1年だった。
立ち返って、2023年。
大切にしたいのは、「むきあう」ということ。
プロジェクトや仕事が増えた今、
一つ一つのプロジェクトにきちんと向き合えているのだろうか。
一つ一つで考えないといけないことや、考えたいことがある。
ではどのようにして精度を高めるのか。
最近は、現代と時代の積層の両者に向き合う姿勢を持つことに答えがある気がしている。
今の時代の中での事象を多角的に捉え、プロジェクトが位置する面を大きくする意識を持つ。
その上で、その面を過去から現在の時間の中で捉え、未来を考える。
そんな、現代の多面性と時間の積層性から、大切なものを探ると、
どんな地域でも、何かしら、みんなで共感できる物語があるのではないか。
あとは、一緒にやっているメンバーで、きちんと、大きなゴールを共有する必要もある。
最近、特に学生とやっているプロジェクトで、
「学生の成長のため」と思ってしまう自分がいる。
そうすると、どうしてもモノとしての完成度を問えなくなる。
モノとしての完成度を高めるために一緒に向き合うことが、結局、学生と向き合うことなんだと思う。
その機会を与え、ともに闘うことが、自分にできる一番の教育なんだと思う。
いろいろなプロジェクトに関わってくれる人々にも、きちんと向き合いたい。どんなに大変でも忙しくても、一緒に何かをする仲間と、損得勘定なしに笑えたら最高だ。
あとは、家族といる時間も何より大切にしたい。
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とまぁ、今年は、何かを書く、という明確なものはなく、
ただ、最近思っていることを、一応起承転結の形で書き連ねてみた。
そんな年もあっていいかも。走り回ったからこそ、それの意味を考える正月だった。
それではみなさんまた来年。
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